2015年答弁記録

『いのちを守る』について
 
1. 地籍調査の促進
 
【大 石】
 
昨年9月に鬼怒川の堤防が決壊したが、この地域は地籍調査が完了していなかったので、土地の権利関係を復元していく作業が必要となり、復旧に相当の時間がかかるようである。
 
本県の地籍調査の進捗率は、全国平均の半分以下で大きく遅れている。既に地籍調査を完了している市町がある一方、未着手地域が一市・三町、休止している一町があるが、これが賀茂地域に集中している。
 
地籍調査への取り組みが遅れたまま放置しておくと、南海トラフ巨大地震などの災害復旧工事に支障が出るのではないかと、危惧している。
 
そこで、今後、地籍調査をどのように促進していくのか、県の取り組み方針について伺う。
 
 
 【交通基盤部長】
 
県では、大規模な地震や洪水により被災した場合の迅速な復旧・復興に供え、地籍調査制度を活用し、正確な土地情報の整備に努めておりますが、市街化が進んだ沿岸部等では、土地の権利関係が複雑で調査に長時間を要する状況にあります。
 
このため、まずは地籍調査に先行して、津波浸水域のうち地籍調査が未実施である38平方キロメートルの官民境界調査を国と連携して、平成34年度末までを完了予定として取り組んでいます。
 
また、未着手市町が存在する賀茂地域においては、県の技術支援による地籍調査の共同実施を、本年度設置された賀茂地域広域連携会議において提案し、来年度からの着手に向けて関係市町と検討を重ねているところであります。
 
さらに、外部委託の普及や、問題の迅速な解決を図る専門家派遣制度の活用等の支援に努め、県内全域において地籍調査を促進し、安全で安心できる“ふじのくにづくり”に取り組んでまいります。
 
 
 2. 親しまれる河川管理
 
【大 石】
 
浜松地域で、昨年9月の豪雨の際に地域の方から馬込川と安間川の堤防の異常を知らせる一報が入ったが、川に近づくことさえできなかった箇所があった。
 
普段から多くの目で河川の現状をみてもらうことができれば、地域住民から発信された有益な緊急情報を適切な対応につなげていくことができると考えるが県民に親しまれる河川管理について、どのように進めていこうとしているのか、県当局の考えを伺う。
 
 
【交通基盤部長】
 
県では、県民の皆様との協働による川づくりを推進しており、地域と連携して草刈りなどを行う「リバーフレンドシップ制度」では、これまでに参加団体が500を超え、延長600キロメートルを超える範囲で活動していただいております。
 
こうした活動への支援や地域に親しまれる河川とするために、昨年度は、浜松市の馬込川をはじめとする、19河川25ヶ所で堤防の散策道や階段などを整備しました。
 
今後も地域の要望を把握し、散策道や階段などを整備することで、川に親しみやすくなる取り組みを進めてまいります。また、議員からご提案がありました、地域の皆様から頂いた情報を県の河川管理につなげる仕組みについても検討してまいります。
 
 
 『いのちを育む』について
 
1. 米の地域ブランドづくり
 
【大 石】
 
総務省発表の家計調査によると、全国の県庁所在地及び政令都市におけるお米の購入数量は、浜松市が1位、静岡市が2位であり、静岡県民はご飯が大好きな県民といえる。
 
お米は、競争力を高めるため各地域ブランド化が進められていて、北海道の「ゆめぴりか」や「ななつぼし」、山形県の「つや姫」、栃木県の「ナスヒカリ」、九州では福岡県の「元気つくし」、熊本県の「森のくまさん」などなど、ネーミングにもこだわりがある。
 
他県産米にも対抗できる、地域ブランドの育成・確立が必要と考えるが、どのように取り組みを進めていこうと考えているのか伺う。
 
 

【川勝知事】
 
県では、本県産米の味の向上を図るために、平成16年からお米日本一コンテストを実施しており、昨年11月に開催した第12回大会には、全国39都道府県から587点が出品されました。県内からも100点の出品があり、御殿場市の生産者が最高金賞を受賞されました。
 
これまで、第7回と第10回大会におきまして、焼津市の生産者が最高金賞を受賞されているように、本県産米は全国トップレベルのお米と肩を並べる水準にあります。
 
一方、農林技術研究所では、本県の温暖な気候を活かして、極早生の「なつしずか」をはじめ、お酒専用の「誉富士」の育成をしております。
 
今後は、稲作農家の経営の安定化のため、冬場のレタス栽培などと複合経営に適した品種の育成に取り組むとともに、新品種の育成、導入や、新しい栽培技術の普及に努めるとともに、県民に愛される米の地域ブランドを確立してまいります。
 
 
 
2. 魅力ある学校づくり
 
【大 石】
 
夏休みが終わろうとしている時、鎌倉市の図書館が「もうすぐ2学期。学校が始まるのが死ぬほど辛い子は、学校休んで図書館へいらっしゃい。」と公式ツイッターで呼びかけたことが話題になりました。
 
一年間で、児童生徒の自殺が最も多いこの時期に、保護者にも教員にも相談できず、行き場を失っている子供たちのために、図書館を居場所として提供しようとする取り組みです。
 
しかし、本来、学校にこそ子供たちの居場所があってしかるべきである。子供たちが目を輝かせ、生き生きと過ごすことができる、魅力ある学校にしてほしいと願うが、所見を伺う。
 
 
 【教育長】
 
子供たちにとって、学校が魅力ある場所となるためには、子供たちが良好な人間関係を構築していくことが重要であると考え、県教育委員会では、本年3月に「人間関係づくりプログラム」を改訂いたしました。
 
本プログラムは義務教育9年間で対人関係のスキルを系統的に身に付ける内容となっており、その普及・活用を通じて子供たちが仲間と毎日楽しく過ごせるような学校づくりを推進しています。
 
また、県内すべての公立小中学校にスクールカウンセラーを配置し、悩みや不安を抱える子供たちが気軽に相談し、安心して学校生活を送ることができる環境を整備しています。
 
さらに、平成26年度からは、袋井市立浅羽中学校区を研究実践地域として「魅力ある学校づくり調査研究」事業に取り組んでおります。県教育委員会といたしましては、これらの取り組みを通して、全ての学校が子供たちにとって夢と希望を抱ける「魅力ある学校」となるように努めてまいります。

『いのちを伸ばす』について
 
1. 壮年世代の社会参加
 
【大 石】
 
高齢者を65歳以上とした1950年代は、この年代の方々を高齢者とすることが時代に合っていたが、現在は65歳を過ぎても元気に活躍されている方も多く、健康関連データでも高齢者は若返っていることが明白である。
 
そこで県では、「ふじのくに型人生区分」により、76歳までを壮年熟期とし、高齢世代の社会参加を後押ししているが、高齢者になっても社会へ参加する住民意識の醸成や仕組み作りなどにどのように取り組むのか、県の所見を伺う。
 
 
 【川勝知事】
 
静岡県では、年齢を重ねても元気で活躍されている方々を応援し、県民が高齢社会に前向きになるように「ふじのくに型人生区分」を提唱しました。
 
「高齢者」と「健康寿命」という定義は、世界保健機構(WHO)が提唱したものですが、日本が健康寿命世界一であって、その中で静岡県の健康寿命が日本一である。本県の女性が76歳くらいまで、ぴんぴんして元気でいらっしゃる、そのような方たちを高齢者と呼ぶのは何事かと。世界保健機構に対する、まあ一つの挑戦といいますか、問題提起ということでございます。
 
私は、高齢者という言葉は使いません。経験を積まれた壮年世代の方々、特に壮年の熟期の方に対しては、その経験を尊重するというふうな姿勢が大切だと思います。
 
地域を支えてこられた力の源、これを学ぶということであります。このため、地域においても引き続き元気に活躍できる人材となっていただけるように、社会参加についての住民意識の醸成や仕組みづくりなど、環境整備を進めてまいりたいと、固く決意しております。
 
そして、住民意識の醸成につきましては、健康長寿の3要素:食、運動、社会参加、この3つであります。バランスの取れた食をお取りいただき、運動を継続する、引きこもりにならないように社会参加をしていただいている方が、実は、健康寿命を延ばされています。
 
社会参加の仕組みづくりといたしましては、高齢者の豊かな知識と経験を活かした介護支援ボランティアをはじめ、見守りや配食等の生活支援活動のほか、次世代を担う子供達を地域で育む活動、あるいは健康づくりのリーダー養成など、地域の支え手として、また指導者としてご活躍できる様々な場の提供と充実を図ろうと考えております。
 
そして元気で活力あるいきいきとした“ふじのくに”を目指そうではありませんか。

 

 


 

 

 

 

2. かかりつけ薬局の普及
 
【大 石】
 
高齢者の人口増加に伴い、国民医療費も増加の一途で、平成25年度には、初めて40兆円を突破したが高齢者は服薬が多いため、飲みきれなくなった薬などが残薬として大量に放置されるなど、薬の管理が患者任せとなっている。
 
このような状況の中、厚生労働省は患者の情報を一元管理する「かかりつけ薬局」の機能を全ての薬局に求める「患者のための薬局ビジョン」を公表した。
 
これからの薬局には、患者と継続的に関わり、信頼関係を構築し、気軽に相談できる「健康ステーション」的な「かかりつけ薬局」を目指してほしいと考えるが、かかりつけ薬局の普及について、県の考え方と対応を伺う。
 
 
 【健康福祉部長】
 
地域の薬局が直接、薬の管理を指導し、健康づくりの支援を行う「かかりつけ薬局」を目指していくことは、高齢者をはじめとする県民の皆様がいつまでも健康で元気に生活していく上で、大変重要であると考えております。県の調査によりますと、「かかりつけ薬局」を決めている県民は約2割程度ですが、多くの方々が地域の薬局で食生活をはじめ、在宅医療や介護などの健康相談を受けることを望んでおります。
 
このため、県では、身近な薬局が、県民の皆様にとって気軽に健康相談ができる場であることを周知するため、ポスターや講習会などを通じて普及啓発に努めております。
 
また、地域の薬局において多様な健康相談や適切な服薬指導を行えるように、生活習慣病予防の相談対応や最新の服薬支援手法の研修を行うなど、薬剤師の能力向上を図り、健康づくりに貢献できる「かかりつけ薬局」となれるよう取り組んでおります。
 
今後も、県薬剤師会や薬局とも連携し、県民の皆様から信頼され、身近な健康相談の相手となる「かかりつけ薬局」を全ての薬局に普及させ、健康づくりの支援を進めることで、健康寿命の更なる延伸に努めてまいります。
 

 

 

 


 『いのちを思う』について

 
1. 残菜ゼロの学校給食
 
【大 石】
 
環境省の調査によりますと、学校給食から発生する食品廃棄物について、給食の食べ残し、すなわち残菜は7.1kgで、食品廃棄物の約4割を占めていることが明らかになりました。
 
食事をするということは、肉や魚、野菜や果物の『いのち』をいただいているのですから、残すときには心の中で「ごめんなさい」と謝るくらいの気持ちを持たせていただきたいと思います。学校給食の残菜を減らすということは、食べ物を大切にし、生産者や調理員さんへの感謝につながっていく、教育的に大変意味のあることと考えています。
 
そこで、残菜ゼロを目指した積極的な取り組みをお願いしたいと思いますが、教育長の所見を伺います。
 
 
 【教育長】
 
残菜ゼロの学校給食につきましては、「食物を大事にし、食物の生産に関わる人々への感謝する心をもつ」ことに結び付く教育的価値の高いことであると考えております。
 
県内では、多くの学校で食農体験や地場産物の活用等、児童生徒の食に対する興味や関心を高め、学校給食における残菜の減少につながる取り組みをしております。例えば、島田市内の小学校では、地元生産者から田んぼを借り受け、田植え、稲刈り等の農作業を学ぶほか、地元のJAの協力により、収穫した米を使ったロング海苔巻き作りに挑戦し、いつもは食の細い児童も活動の達成感から、満足感を得る体験となっております。
 
昨年から始まった11月24日の「和食の日」には、県内349校がだしの旨みを汁物を活かした学校給食で提供し、児童生徒が和食文化の素晴らしさにふれる取り組みをしたところであります。
 
また、県教育委員会では「親子で作る学校給食メニューコンクール」を開催し、地場産物を活用した魅力ある学校給食メニューを開発するとともに、親子で学校給食について考える機会としております。
 
こうした取り組みにより、本県の平成25年度の県内児童生徒一人当たりの年間残菜量は4.79kgと全国平均7.1kgを大きく下回っております。
 
今後とも、学校における食育を中心に担っている学校教諭等の研修会を通じて、子供たちが食べ物の栄養を理解し、食べ物を大切にする教育を推進するとともに、完食できるおいしい学校給食の提供に努めてまいります。
 
 
 
以上であります。